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赤ちゃん(0歳児)の歯はいつ生える?時期や順番とケア方法

赤ちゃんの歯が生える時期や順番には個人差があります。そう聞いてはいても、同じ月齢の赤ちゃんと比べて「うちはいつ?」と気になってしまうパパやママもいるのではないでしょうか。 この記事では、乳歯が生える時期と順番の目安や生える前にどのような前兆があるのか、また、生え始めの歯を守るための口内環境のケアについて紹介します。

1.赤ちゃんの歯が生え始める時期と順番を知っておこう

乳歯は永久歯よりもむし歯になりやすく、生え始めの歯は特に注意してケアする必要があります。生える時期と順番には個人差がありますが、赤ちゃんの歯を守るためにもだいたいの目安を知っておいたほうがいいでしょう。

時期は生後6~9カ月ごろ

赤ちゃんの歯は生後6~9カ月ごろ、下の真ん中の前歯から生え始めるのが一般的です。 歯が生える前には歯ぐきがむずむずする、よだれがたくさん出る、生える場所の歯ぐきが膨らむなどの前兆があります。

1歳を過ぎてから歯が生え始める赤ちゃんもいるため、ほかの子と比べて「うちの子はまだ生えてこない」と過度に心配する必要はないといわれています。1歳3カ月ごろになってもまだ1本も生えていない場合は小児歯科に相談してみましょう。

乳歯が生える順番の目安

乳歯は全部で20本生えますが、1歳ごろまでにだいたい上下4本ずつ、計8本の歯が生えます。以下に、平均的な順番を紹介します。

生後6カ月ごろ…下の前歯が2本
生後10カ月ごろ…上の前歯が2本
満1歳ごろ…すでに生えている前歯の両隣に上下2本ずつ

その後、1歳半ごろに手前の奥歯(第一乳臼歯)が上下2本ずつ、2歳ごろに前歯と奥歯の間の歯が上下2本ずつ、2歳半ごろに奥歯(第二乳臼歯)が上下2本ずつ生えて20本生えそろいます。

2.赤ちゃんのよだれの役割

歯が生え始めるころ、赤ちゃんのよだれが増えてきます。よだれは唾液が外に流れ出たものですが、生まれてすぐは唾液の分泌量は少なく、赤ちゃんの体が成長するにつれて増えていきます。

唾液には食べ物を飲み込んだり消化を助けたりする働きのほか、口内環境を清潔に保つ重要な働きがあります。よだれが増えたということは、唾液の分泌が盛んであり、いろいろな食べ物を消化、吸収できる準備が整ってきた状態だともいえます。ちょうどその時期に食べ物をかむために必要な歯も生え始めるわけです。

赤ちゃんのよだれが多い原因として、飲み込む機能や口を閉じる機能が未発達であることも挙げられます。成長するにつれ唾液を飲み込めるようになり、よだれの量も減っていくでしょう。それまでは口の周りやあごなどがよだれでかぶれないよう小まめに拭き取るなどのケアも大切です。

3.【生え始めの歯のケア方法】乳歯のむし歯は永久歯にも影響!?

乳歯はいずれ永久歯に生え替わりますが、乳歯がむし歯の状態だと、その下で待機している永久歯にも影響が及びます。むし歯を予防するためには、歯が生え始める前から歯みがきに慣れる準備を少しずつするのがおすすめです。

赤ちゃんはまだ自分で歯みがきができないため、パパやママが代わりにケアすることになります。その際、歯みがきが嫌いにならないような工夫が必要です。突然口の中を覗き込んだり、口の周りに触ったり、歯ブラシを口に入れたりするのは控えましょう。歯が生え始める前は歯ぐきがむずむずするため、プレ歯みがきもかねて歯固めなどのアイテムを活用してみてはいかがでしょうか。

【歯みがきに慣れるための準備】
1.歯みがきの姿勢に慣れるため、パパやママが床に座る。足の間に赤ちゃんを仰向けに寝かせ口の中を観察する
2.清潔な指で赤ちゃんの口の周りにちょんちょんと触る。声掛けをしながら楽しい雰囲気で。パパやママも一緒に口を開けながら、赤ちゃんの歯に触り、口の中にものが入る感覚に慣れるようにする
3.慣れてきたら、赤ちゃん用歯ブラシを口に入れたり、歯をちょんちょんと歯ブラシで触ったりする

最初の乳歯が生え始めたら、毎日歯のお手入れをしましょう。
お手入れのときは、「慎重にしなくては」という思いのあまり、真顔や怖い顔になりがちです。笑顔を心がけ、赤ちゃんが「歯みがきは楽しいもの」というイメージを持てるようにしましょう。

【生え始めの歯のケア方法】
1.最初はガーゼや綿棒で歯の汚れをぬぐうことから始める。離乳食を始めるまでは歯ブラシを使わない拭き取るケアで十分
2.離乳食を始めたら歯ブラシに慣れたころを見計らって、1本ずつ力を入れずにやさしくみがく
3.みがくときは上唇の裏側にある「上唇小帯」に歯ブラシが当たらないよう指で保護しながらみがく

生え始めの歯を守るためには、食生活やおやつ面での注意も必要です。特に、哺乳瓶やストローでジュースなどの甘い飲み物を飲ませないようにしましょう。市販の清涼飲料水は酸性のものが多く、ダラダラと飲んでいると酸が歯に付着している時間が長くなり、歯の表面のエナメルが酸で溶けやすくなるからです。甘いものを取ったあとは、お水やお茶を飲む習慣をつけるといいですね。

4.赤ちゃんの口内環境を良くするにはパパとママのケアも大切

むし歯の原因となるむし歯菌(細菌)は唾液を介して人から人へとうつります。赤ちゃんが生まれると、あまりのかわいさから頻繁にスキンシップをしたり、自分のスプーンで離乳食をあげたりしがちです。でもそれは、パパやママのむし歯菌をうつしてしまう可能性があると心得ておきましょう。

安全なスキンシップを取るためにも、もしむし歯や歯周病の心配がある場合は早めに治療することが大切です。また、むし歯や歯周病の心配がなくても、毎食後の歯みがきのほか、デンタルフロスや洗口液など口腔環境を良くするアイテムを活用して口腔ケアをしっかりと行うようにしてください。

赤ちゃんの口内環境を良くするためには、パパやママ以外のご家族も口腔ケアをしっかりして、スプーンやコップなどの共有は避けたほうがいいでしょう。

まとめ

赤ちゃんの歯は一般的には生後6~9カ月ごろ、下の真ん中の前歯から生え始めます。ただ、歯が生える時期や順番には個人差があり、なかには1歳を過ぎてから歯が生え始める赤ちゃんもいるため、ほかの赤ちゃんと比較して一喜一憂する必要はありません。

歯が生える前には歯ぐきがむずむずする、よだれがたくさん出るなどの前兆があります。歯ぐきがむずむずする様子があったら、プレ歯みがきもかねて歯固めなどのアイテムを活用するのもおすすめです。

歯みがき嫌いにしないためには、慣れるための準備をていねいにしましょう。乳歯が生え始めのころで、まだ離乳食が始まっていなければガーゼなどで汚れをぬぐうだけでも十分です。離乳食が始まったら赤ちゃん用歯ブラシを使って1本1本ていねいにみがきましょう。

監修者

監修:若林健史

医療法人社団真健会理事長/歯学博士
日本歯周病学会理事・専門医・指導医、日本臨床歯周病学会・認定医・指導医、日本大学客員教授、日大松戸歯学部歯周治療科非常勤講師。歯周病治療の第一人者。歯科医療に対するいっそうの信頼の確保と、学術的な前進にも貢献している。