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肌のバリア機能が低下すると、食物アレルギーが起こりやすくなる!?


ママにとって、赤ちゃんの食物アレルギーはお悩みの一つだと思います。実は、肌のバリア機能が低下すると、食物アレルギーなどの健康上の問題が起こりやすくなることをご存知でしょうか?
食物アレルギーを予防するためにはどうすればいいか見ていきましょう。

1.どうして食物アレルギーになるの?

私たちの身体には、病気の原因になるウイルスや細菌などの異物を排除し、健康を守る仕組みがあります。しかし、特定の食品を異物と間違い、過剰にその仕組みがはたらいてしまうこともあり、それを「食物アレルギー」と言います。
食物アレルギーが発症する要因としては主に胎内感作(妊娠中にママが摂取した食物が胎盤や羊水を介して赤ちゃんに影響する)、経腸管感作(母乳中に含まれる食物アレルゲンが赤ちゃんに直接影響する)、そして経皮感作(アレルゲンが皮膚のバリアを通過して、表皮や真皮に侵入して反応する)があります。
ここではアレルゲンが皮膚から入り込む経皮感作についてお話しします。

2.お肌のバリア機能と食物アレルギーの関係性

お肌は、私たちの身体を外部からの異物や細菌から守る最初の防御ラインと言われています。しかし、お肌が弱くなると、この重要な機能が損なわれ、さまざまな健康問題が引き起こされる可能性があります。乾燥したお肌は小さな傷やひび割れができやすくなり、これによって食物アレルギーの原因となるアレルゲンが体内に侵入する恐れがあるのです。そして免疫システムがうまく機 能しないとアレルギーが発症します。
例えば、ピーナッツオイルによる経皮感作や、加水分解小麦を含む石鹸の使用による小麦アレルギーの発症例の研究などもあります。
皮膚のバリアが壊れている状態で食物アレルゲンが皮膚から吸収されるとアレルギーが発症する可能性があるため、特に空気乾燥の激しい冬季に対しては、スキンケア・保湿等を十分に行い、皮膚状態を良好に保ちましょう。

出典:食物アレルギーの発症要因と耐性化(小倉聖剛、海老澤元宏、日内会誌 102:724~730, 2013)
(https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/102/3/102_724/_pdf)

お肌のバリア機能と食物アレルギーの関係性



3.赤ちゃんのお肌を守るために

赤ちゃんの肌を守るためには、毎日の保湿が欠かせません。 赤ちゃんの肌に適した保湿剤を使うことが大切です。 以下、保湿剤選びのポイントと使用方法について詳しく説明します。

1.保湿剤の選び方

  • 無香料・無添加: 赤ちゃんの肌は敏感なので、香料や添加物を避けた製品を選びましょう。
  • 低刺激性:肌に優しく、刺激が少ないものを選びます。 アレルギーテストをクリアした製品を選ぶとより安心です。
  • 保湿力の高い成分:セラミドやヒアルロン酸、グリセリンなどが含まれている製品は、肌に潤いを与える効果があります。
    • 2.保湿のタイミング

      • お風呂後すぐに: 赤ちゃんの肌はお風呂後に水分が蒸発しやすいため、お風呂上がりはすぐに保湿剤を塗りましょう。
      • 乾燥を感じたときも:乾燥が気になる場所(顔、ひじ、ひざなど)は、こまめに保湿をしましょう。
        • 3.保湿の方法

          • 手に適量を取り、優しく肌になじるよう塗ります。強く擦ったりしないように注意しましょう。
          • 顔や首回りは特に敏感なため、軽く抑えて塗りましょう。


            • 保湿の方法


4.内からも対策を!腸内環境がカギ

上記のような対策をしても、アレルゲンの侵入口を 100%防ぐことは難しいです。そのため、身体の内側からのガードも強めましょう。そこで重要になるのが「腸内環境」です。
食物アレルギー児の腸内細菌叢の偏りは、食物アレルギーの発症、重症化に関与している可能性があり、健常な腸内細菌叢の形成が必要だと言われています。
腸内環境を整えるためにできることとして代表的なのは乳酸菌を摂ることですが、乳酸菌自体は通過菌と呼ばれ、乳酸菌を取っても腸内で増殖せず、すぐに便の中に出てしまうため毎日取り続けることが勧められます。

乳幼児の腸内細菌叢とアレルギーの発症(伊藤浩明、あいち小児保健医療総合センターアレルギー科 2002)
(https://www.jstage.jst.go.jp/article/arerugi/51/2-3/51_KJ00001636113/_pdf/-char/ja)

腸内環境がカギ


まとめ

【外からも内からも、アレルギー対策を】
肌のバリア機能が低下すると、食物アレルギーなどの健康上の問題が起こりやすくなるので、まずは保湿などで外側から肌を強くしてアレルゲンの侵入を防ぎましょう。それに加え、身体の内側からは腸内環境を整えて免疫を上げ、食物アレルギーのリスクを抑えましょう。