子どもが保育園(幼稚園)に入園したら、風邪ウイルスをもらってこないか心配…というママもいるのではないでしょうか?保育園などは他の子どもとの接触が増えるので、いろいろなウイルスや細菌に感染して発熱や下痢などを繰り返すこともあります。しっかり感染予防をしつつ、風邪に負けない身体を作ることが必要です。
1.入園後、風邪を繰り返すのはなぜ?
子どもが保育園や幼稚園に通い出すと、人や物に接することが増えるため、意図せず感染症に触れてしまう場面も増えます。そして子どもの免疫機能は未熟であり、感染症に対する抵抗力が低いため、風邪やインフルエンザなどの原因となる菌をもらってきてしまう可能性が高いのです。
菌をもらい風邪を引いて、病院にかかるなどして熱が下がった後も注意が必要です。熱が下がった直後は免疫機能が一時的に低下し、新たな感染症にかかりやすい状態になるためです。
このような流れで、入園後には風邪を繰り返してしまうことがあります。
出典: Nafstad P, et al. Pediatrics 1999;103:753-8
(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/10103298/)
3.風邪や感染症に負けない身体を作ろう
手洗い・うがいなどで体内に悪い菌が入らないように対策することなどももちろん必要ですが、感染症にかかりづらい丈夫な身体を作るために、腸内環境を整えることも大切です。
私たちの腸の中には、乳酸菌やビフィズス菌など、身体によい働きをする善玉菌と、病気の発生源となる悪玉菌、そして、善玉菌か悪玉菌、どちらか優勢な方を味方する日和見菌(ひよりみきん)の 3 種類が存在します。この腸内フローラのバランスが整っていると、風邪を引きにくくなるのはもちろん、花粉症やその他アレルギー症状の改善にも効果的と言われています。
過去 10 年間で、腸内フローラが新生児の代謝、免疫系の発達、認知発達などの発達プログラミングに不可欠な役割を果たしていることが、大量の研究で実証されています。生後 1000 日間に腸内フローラの発達を促進することは、生涯にわたる健康にとって重要なのです。
出典: Xenopoulou, E., Kontele, I., Sergentanis, TN, Grammatikopoulou, MG, Tzoutzou, M., Kotrokois, K.,
Tsitsika, A. Κ., & Vassilakou, T. (2024). バイオティクスと子どもと青少年の健康:物語的レビュー。
Children
、 11
( 3)、329
(https://doi.org/10.3390/children11030329)
4.腸内環境を整えるには
腸内環境を整えるためには、具体的に何をしたらいいのでしょうか。親子で以下のことを意識して、風邪や感染症に負けない身体を作っていきましょう。
栄養バランスの良い食事
腸内細菌は、私たちが摂取する食事の影響を強く受けます。 特に腸内環境を良好に保つためには、以下のポイントを意識することが重要です。
食物繊維:善玉菌のエサになるため、不溶性と水溶性のバランスを考えて摂取する(野菜、果物、全粒穀物、海藻類)。
発酵食品:腸内細菌を直接増やす乳酸菌や酵母を含む(ヨーグルト、キムチ、味噌、納豆)。
多様な栄養素:特定の食品だけでなく、タンパク質(魚、製品)、ビタミン(特にビタミン D やビタミンB群)、ミネラル(カルシウム、マグネシウム)が重要です。
加工食品や砂糖を控える:悪玉菌が増えるため、ファストフードや高糖質の食品は注目されています。
睡眠
規則的な睡眠:毎日同じ時間に寝起きすることが腸内のリズムを整えます。
質の高い睡眠:寝る 1 時間前にテレビやスマホ、パソコンを避け、リラックスした状態で就寝しましょう。
腸に良い夕食:就寝 3 時間前に食事をしながら、腸を休めることもポイントです。
水分補給
腸内環境を良好に保つためには、正しい水分補給が欠かせません。 水分は便を柔らかくし、スムーズな排便を心がけます。
一日 1.5~2 リットルを目安に:特に朝起きた時や食事の間こまめに水を飲みます。
正しい飲み物を選ぶ:白湯やノンカフェインのハーブティーが腸を温め、腸の動きを助けます。
アルコールや砂糖入り飲料を控える:これらは腸内環境を悪化させる原因になります。