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次々とアレルギーを発症する!?子どもの”アレルギーマーチ”にご注意

“アレルギーマーチ”をご存知ですか?子どもがいくつかのアレルギー疾患を発症していくことを指す言葉ですが、成長とともに発症していくので、親の心配ごとのひとつと言われています。大人より変わりやすい、子どもの体質。何かできることはあるのでしょうか?

1.子どもの体質とアレルギーマーチ

子どもの体質は大人と比べて変化しやすく、特に0〜7歳の幼児期においてはその変化が顕著です。成長とともに、体の免疫系も発達していく中で、アレルギー反応が強まり、アレルギーマーチと呼ばれる現象が起こります。このアレルギーマーチは、アレルギー疾患がひとつ発症すると、次々と他のアレルギーが発症していくという連鎖反応を指します。乳児期には食物、幼児期以降はダニ、 学童期以降はスギ花粉というように、原因となるアレルギーが進行していくのです。(アレルギーマーチ)



出典:乳幼児期の環境アレルゲン対策とアレルギーマーチ(日本小児アレルギー学会誌)
(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspaci1987/17/1/17_1_50/_pdf)
小児の腸内細菌叢とアレルギー(千葉大学予防医学センター)
(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jim/37/4/37_187/_article/-char/ja)





2.アレルギーマーチの出発点

アレルギーマーチの出発点は、通常、乳幼児期に特定のアレルゲンにさらされることから始まります。乳児期における免疫系の未熟さや、腸内細菌のバランスの影響を受けることもあります。

以下に、具体的な要因を挙げます。

・アレルゲンの影響

家庭での食事や環境の中で、乳製品、卵、ピーナッツなどのアレルゲンに触れることがあります。特に乳幼児期にアレルゲンにさらされると、免疫系の過剰反応を引き起こし、アレルギーの発症につながる可能性があります。

・外的環境

閉鎖された室内においてダニや埃が身体に多く触れるとアレルギーを発症する可能性があります。また、季節によってはスギ花粉などもアレルギー疾患の原因となります。

・腸内細菌叢のバランスの影響

腸内細菌のバランスは、免疫系の発達や機能に影響を与えることが知られています。消化機能や腸管バリア機能が低下し、免疫機能が未発達だと、食物アレルギーが発症しやすくなると言われています。

これらの機能が未熟な乳児期における腸内細菌叢のバランスの乱れは、免疫系の過剰反応を引き起こし、食物アレルギーが発症する可能性が高まります。また、腸内細菌叢は免疫機能や腸管バリア機能の発達に重要な役割を果たすことから、食物アレルギーの発症に大きく影響すると考えられています。



このようにいくつかの要因があり、乳幼児期にアレルギーマーチが始まる可能性があります。

そのため、乳児期からアレルギーの予防に取り組むことが重要であり、適切な栄養摂取や環境の管理が大切ですね。  





3.アレルギーマーチを抑制するためには?

アレルギーマーチの出発点と言われている乳幼児期からの早期予防が大切です。もっと言えば、子どもがお腹にいる時から気をつけられることもあります。

・適切に栄養をとる

特にビタミンDやオメガ3脂肪酸などの栄養素は免疫系の健康に関わります。バランスの取れた食事や、必要に応じて栄養補助食品を摂取するのも良いでしょう。

・生活環境を整える

乳幼児のいる家庭では、ダニが多い布団やマットレス、カーペットなどの寝具や家具をこまめに掃除しましょう。また、スギ花粉の飛散期には窓を閉めて部屋を清潔に保つなどの対策が重要です。帰宅時に衣服についた花粉を払い落とすことも心がけましょう。

・腸内環境を整える

生まれてくる子どもの腸内は無菌なため、最初に触れるママの腸内細菌が影響します。そのため、妊娠中のママの腸内環境も重要です。腸内環境を整えるには、バランスの取れた食事や、食物繊維、乳酸菌を摂ることなどがおすすめです。水分をこまめに補給し、規則正しい生活を目指しましょう。







4.早めの対策を


アレルギーマーチの出発点と言われる乳児期、場合によっては妊娠中からアレルギーの予防をしていきましょう。家族みんなで対策をすることが、生まれてくる子どもをアレルギーから予防することにつながります。

まとめ

アレルギーマーチは、乳幼児期から次々と他のアレルギーが発症していく、子ども特有の症状だということがわかりました。アレルギーマーチを抑制するために、妊娠中や乳幼児期から早めに対策をしていきましょう。

監修者

監修:今西 洋介医師

新生児科医、小児科医、小児医療ジャーナリスト
日本小児科学会専門医/日本周産期新生児学会・新生児専門医。小児公衆衛生学者。

富山大学医学部卒業後、都市部と地方部の両方のNICUで新生児医療に従事する。
Xアカウント「ふらいと」(@doctor_nw)やニュースレターを通じて、医療啓発を行いつつ子どもの社会問題を社会に提起している。

監修書籍に『新生児科医・小児科医ふらいと先生の 子育て「これってほんと?」答えます』『ぼくのかぞく ぼくのからだ』など
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