1〜7歳の小さな子どもを持つママたちにとって、子どもたちがいつも健康でいてくれることは一番の願いだと思います。体のベースが作られるこの時期は成長が著しく、またこの時期の腸内環境が免疫環境の向上に大きく関わることから、子どもたちが大人になった時の健康を大きく左右すると言われています。そのため、腸内環境を健康的に保つためのアクション(腸活)は、始める時期が早ければ早いほど良いのです。
1.子どもたちの心身の成長と腸活習慣
子どもたちの成長は単に身体の発育や知識・技能の習得だけではなく、感情の安定や社会性の発達という観点もあります。3~4歳の子どもたちを対象に、「感情制御を含むいくつかの種類の認知機能が、腸内環境や食習慣とどのように関連しているか」について調査された最近の研究レポートでは、腸内環境が心の健康にも影響を及ぼすことが明らかになったと記されています。
腸の状態は私たちの感情や行動に影響を与えると言われています。腸内環境のバランス状態は、子どもたちの気分の安定に大きく関係しています。例えば腸内細菌は、「幸福ホルモン」と呼ばれるセロトニンや、神経系の活動を鎮める効果があるガンマアミノ酪酸(GABA)などの神経伝達物質が作られているのですが、仮に腸内環境が乱れてしまうとこれらの物質が減り、結果的に心も不安定になる可能性が高まってしまいます。
このように健康な腸内環境はストレスに対する耐性を高め、感情の安定をサポートします。例えば、学校や幼稚園、保育園での新しい挑戦や友達との関係で生じるストレスに対しても、早いうちから始めた腸活によって穏やかな心で対応できるようになるのです。
出典:ヒトの幼児期における腸内細菌叢と感情制御の困難さとの関係性(京都大学)
(https://www.kyoto-u.ac.jp/sites/default/files/2023-09/2309_Myowa_Microorganisms_relj-d6cef88b6148a1c9fc16f001f44951c6.pdf)
2.親子での腸活習慣
気軽に習慣として取り入れられるのは、食習慣の改善です。例えば、毎朝の朝食にヨーグルトを出したり、夕食では味噌汁を飲ませることで、子どもたちだけでなく家族全体の腸内環境改善が期待できます。
その他にも、
・子どもたちにとって飲みやすい乳酸菌飲料を食後に出す
・プロバイオティクス入りのチーズをおやつにする
・パンに塗るバターを発酵バター(原料は生乳と乳酸菌)に変える
上記のような方法もあります。いずれもちょっとした工夫で乳酸菌を摂取することができます。
また、食事以外の習慣として、腸に良いものは次のとおりです。
※プロバイオティクスとは、体に良い働きをする「良い細菌」のことです。私たちの体の中にはたくさんの細菌が住んでいますが、その中には健康を助ける細菌もあります。プロバイオティクスは食品やサプリメントを通じて体に取り入れることができます。食品の主な例としては、生きた菌が含まれるヨーグルトなどの発酵乳や納豆、キムチなどの発酵食品が該当します。これらの食品を食べることで、体内環境の改善や、免疫機能の調節が期待できます。
<定期的な運動を心がける>
散歩する、自転車に乗る、公園で遊ぶなど、簡単に取り入れられるアウトドア活動は腸の動きが活発になるので消化機能が良くなります。そして、これらの活動は子どもの運動能力を高めるだけでなく、親子の絆も深めることができます。
<しっかりと睡眠をとる>
「就寝時間を決めて親子で一緒に寝る」というルーティーンを作ってみませんか。体内リズムが整うことは結果的に腸の良好な健康状態につながります。就寝前の本の読み聞かせなども親子の良好なコミュニケーションになるのではないでしょうか。
<毎日十分に水分を摂取する>
定期的に水分を取り込むことは、消化と排泄を助けるため腸の健康に欠かせません。お気に入りの水筒やお揃いのカップを使って親子で一緒に水分摂取を意識してみてください。
3.子ども向けの乳酸菌製品
上記でも触れたように、子どもが気づかないうちに乳酸菌を摂取できる食品はいろいろあります。中には糖分や添加物が多く含まれているものもありますので、食品選びには気をつけなければなりませんが、やはりヨーグルトや乳酸菌飲料など子どもたちに楽しんでもらえる身近なものが良いと思います。まずは、長期にわたって親子で良い習慣になるようなものを意識してみましょう。